先の見えないこれからに向けて

「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。

今回の質問の概要は次のようなものです。

学校の先生からの相談

2学期、従来と形を変えて行事が少しずつ復活しそうです。
しかし、いつコロナやインフルエンザで学級閉鎖になるかはわかりません。

急な対応で、忙しくて、何をやっているかわからない、とならないために、先を見据えて準備をするということを教えてください。

■小野先生
■1パターンではなく、複数パターンを用意しておく
2パターンくらい自分の中で用意をしておくことです。
仕事でも、家庭でも、他のことでも同じです。

例えば、私の家庭を例にしますね。
家族旅行の話です。
私は忙しくて、滅多に家族サービスができません。
そこで、1年分をまとめてやっています。

家族旅行の案を決めていきます。
子どもたちの体力、道順、効率などを考えてです。

それなのに、メインスポットが休館していました。
わざわざ、その近くに宿を予約したのに、です。

このような状況は、遠足でも、他のことでも同じです。

候補をいくつか用意しておきます。
イルカと泳ぐのがメインであれば、それが前日17時に締切ということを調べておきます。
調べておけば、17時までに判断すれば、翌日に入れるかもしれません。

船で島に渡って、アクティビティができるというプログラムがありました。
それも前日17時が締切なのですが、定員は決まっています。
入れない可能性があります。
入れない場合、半日空きます。
そうなってしまうと、
「半日、どこに行く?」
「どこどこのお土産屋さんにでも行くか…」
のように、どっちらけの状態になってしまいます。
せっかく一年間の罪滅ぼしで行っているのに、です。

そこで、そのアクティビティも近いところを3箇所ほど調べておきました。
情報をわかりやすくスマホに入れておきます。
下調べは30分から1時間ほどでできますよね。
このようにできなかった時に、それに変わるものを用意しておくということです。

また、雨が降ったらできなくなることがありますよね。
ですから、2日目と3日目が入れ替えできるようにもしました。

旅行のうち、1日は晴れていたので島に渡っても大丈夫。
もう1日は雨だったので、島に渡ったら残念なことになります。
高いお金を払っているのに、何もできませんから。
これを入れ替え自由な形にします。
一応決めてはおきますが、ガチガチにはしません。

ある程度のゆとりを持たせた上で、変化へのシミュレーションをしておきましょう。

■その場ででも、段取りを組んでいく。
特別支援学級の担任をしていた時に、遠足へ行きました。
ある先生が、4・5年生を対象に「猛獣狩りに行こうよ」というゲームをしました。
「マントヒヒ」と言ったら5文字ですので、5名集まるというゲームです。
残念ながら盛り上がりませんでした。
担当した先生が困っています。

私は当時、支援学級の担任です。
支援が必要なお子さんに支援をするのが仕事です。
なのに、先生は、私の方をチラチラ見ます。
変わってほしいというサインを目線で送ってきます。
トドメは支援が必要なお子さんが「全然、面白くねー」と200人くらいいるところで叫んでしまったことです。

この状態ですから、私が、
「変わりましょうか?」
とお話ししたら、
「ぜひ」
となりますよね。

こういう時の危機管理です。
このままいったら失敗の延長です。

そこで、その場で面白い動物の名前とか、一番長い動物の名前とかを、スマホで調べました。

もちろん自分の仕事ではありません。
それでもやる時はありますから。

子どもたちに向けて、
「先生はね、厳しいですからね」
とニコニコ話します。
「ものすごく早く言いますよ」
のように変化をつけながらやっていきます。
「今まで誰もできたことがない」
のようにあおっていきます。
一番長い名前を言ったら、
「えっ、もう一度」
となりますよね。
そこで、もっと早く言います。
最終的にはできたという状態を作っていきます。
大成功。
時間も持ちましたし、子どもたちも盛り上がりました。
こうしたことも危機管理です。
こうする、ああする、ということを思っておかないといけません。

ベテランになってくると、それは自分ができるようになっていきます。

■コロナだから、学級閉鎖だから、というのはチャンス
私は野球部のキャプテンでしたので、集団を動かすというのをそこで学びました。

方針を示す。
変化するのであれば、意味付けをした上で、それに変わるようなものを持っていく。

そうしないと「練習していても意味がない」と後輩から突き上げがあります。

Aができなかったら、B。
Bができなかったら、C。
それはこういう理由があって、こんな力がつく。
このような下ごしらえがないと苦しくなります。

その時、使わなかったとしても、次に活きます。
1回学べば、学級経営でも、町内会でも使えますよね。

コロナだから、学級閉鎖だから、というのはチャンスです。
そういう認識で進めてはいかがでしょうか。

※内容の全部、もしくは一部の無断転載を禁止します。
※本記事の内容は「K’s club サロン」の一部です。お子さんの発達や障がいなどについて、さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

〈特別支援教育専門家〉
小野隆行(株式会社イージスグループ代表取締役)
〈引用〉
〈引用〉
K’s club サロン
https://hikarinoniji.supersale.jp/about#mainabtkuMDE1Mj
K’s club サロン:発達障がい関連グッズ
https://hikarinoniji.supersale.jp/categories/3084689#mainidxkyLjg4Mz

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