両手で体重を支えるため松葉杖を使うと何も持つことができません
本屋に行きました。
何度も車椅子を使っている方を見かける本屋です。
今回見たのは、車椅子ではなく松葉杖の方。
両手に松葉杖を持っています。
高校生くらいです。
左足にギブスを巻いています。
「部活で足を怪我してしまったのかな」と思っていました。
松葉杖。
私も経験があるのですが、怪我をしたての時は、本当に足をつくことができません。
ちょっと痛みがなくなってくると、ケンケンをしたり、足をつけたりもするのですが。
多分怪我をしたてなのだろうなと思って見ていました。
アニメがたくさん置いてあるコーナーの方へ行きました。
私は私で、いつも買っているアニメの続刊が出ていないかとそちらへ行きました。
発売日をチェックしているわけではないので、目に入った時に買うようにしているのです。
ないなぁと思っていると、声が聞こえてきました。
「取りましょうか?」
店員さんでした。
松葉杖の方に声をかけています。
「ありがとうございます」
お目当ての本があったようです。
店員さんから取ってもらっていました。
「他にもご覧になりますか」
「はい」
ちょっと恥ずかしそうな声で答えていました。
私のところまでは届かない声の大きさで、少し話をしてから、
「では、レジに持っていきますね」
という声だけが聞こえました。
両手に松葉杖を持っていると、手にはほぼ何も持てません。
松葉杖で体重を支えるため、コミック一冊でもかなり難しいです。
知ってか、知らずか、店員さんの丁寧さがいいなぁと思って、目の端で見て、耳で聞いていました。
こういうお店だから、車椅子の方を何度も見かけるのかもしれません。