ポイントは「注意の分散」?片付けが苦手でイライラしてしまう子

ポイントは「注意の分散」?片付けが苦手でイライラしてしまう子

 

「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。

□河野先生

片付けが苦手な子で物をなくしたり、探したり、見つからないからイライラしているということはよくあることです。これはいわゆるADHDといわれる注意欠如多動性の子の特徴です。

こういったタイプのお子さんにとって一番重要なことは、注意の分散を防ぐということです。

注意の分散は整理整頓ができていなかったり、机の周りが散らかったりしている状況を周りが注意することで起きます。「消しゴムや鉛筆が落ちていますよ」「あれどこへいったの」などいろいろ言われると、今やることに集中できずに物がないことばかりに気がいってしまいます。

そもそもADHDの子は、注意資源や集中力自体の容量が少ないので、集中できる範囲がとても狭いです。そんな中で、周囲にあれこれ言われると、本当は漢字を書いたり計算をすることに集中しなければならないのに、「鉛筆落ちていないかな」「あれはどこにいったかな?」と注意がいろいろなところに分散してしまいます。本題のところから外れてしまうことが一番の問題です。

そのため、大事なことは「漢字を書きましょう」「計算をしましょう」など、今するべきことだけを言ってあげることです。そして「この漢字のハネがいいね」「今日は計算がすごくサクサク進んでいるね」と、とにかく褒める。その時に消しゴムや鉛筆、プリントが落ちている状況はとにかく無視します。散らかっていることはスルーして、今集中できるところをやらせます。もし落ちていたのなら拾ってあげればいいのです。拾って黙って置いておくだけです。

「落ちているよ」「落とさないように」と言ってしまうことを極力止めて、注意の分散を防ぐということが一番いい方法です。

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※本記事の内容は「K’s club サロン」の一部です。お子さんの発達や障がいなどについて、さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

 

〈ドクター〉
河野政樹(虹の子どもクリニック院長)

〈引用〉
K’s club サロン
K’s club サロン:発達障がい関連グッズ


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