イーロン・マスクの人生と障がい

 皆さんはイーロン・マスクという人物をご存じですか?彼は起業家であり、発明家、エンジニア、そして投資家として知られています。
1971年に南アフリカのプレトリアで生まれ、17歳でカナダに移住、クイーンズ大学に入学。後にペンシルバニア大学にに転校し物理学と経済学の学位を取得しました。主なキャリアとしては1996年に弟のキンバル・マスクと共にZip2を設立、1999年にX.com後のPayPalを設立、2002年にスペースXを設立し、宇宙探査と宇宙旅行の分野で革新を目指しました。そして2004年に皆さん一度は聞いたことがあるでしょう、テスラモーターズに投資し会長に就任しました。2008年からはCEOとして電気自動車の普及に尽力しています。

 世界で一番成功した人として名が挙がるイーロン・マスクですが、彼が自閉症スペクトラムの一種であるアスペルガー症候群であると公表していることをご存じでしょうか?知らない人からしたら驚くことかもしれません。アスペルガー症候群とは、主に社会的な交流やコミュニケーションに困難を伴う発達障がいです。

 壮大すぎる夢追い人イーロン・マスク。今では世界中の誰もがその名を知っているでしょう。しかし彼の幼少期は過酷なものでした。治安の悪い南アフリカで生まれた彼は、まさに死と隣り合わせの環境、機関銃による銃撃やナイフによる殺人が日常茶飯事だったよう。その上学校生活も相当つらかったそうだ。彼は共感することが苦手で他の人に好かれたいとか思わないし、気に入られようとすることもない。だからどこに行ってもいじめられ顔を殴られた。
 そんなある日、ある少年といざこざがあった。彼が昼食を食べていると、その少年が仲間と後ろから近づきマスクの頭をコンクリートの階段に押さえつけたという。それで顔が腫れて膨れ上がったマスクは病院に連れていかれた。けれども病院から帰ってきた彼に対して父親は大激怒。なぜか相手の少年の肩を持ち、大馬鹿だ、ろくでなしだと彼に言い放ったのだ。そんな過酷な幼少期を過ごしたマスク。
 だからこそ彼は言った。
「私は苦しみが原点なのだ。だからちょっとやそっとでは痛みを感じなくなった。」と、、、
そしてこうも話しています。
「私はこんなおかしな人生になるとは思っていませんでした。テクノロジー関連の仕事をするつもりもなかったです。自分で会社を立てようと思ったのも、ネット関連の仕事は多くなくて、どの仕事にも就くことが出来なかったからです。職を得ようとネットスケープなどの会社が入っているビルのロビーでウロウロしましたが、シャイで誰にも声をかけれませんでした。そうか、就職できないんだったえあ自分で会社を立ち上げるしかないなと。」
 イーロン・マスクの人生は、数々の障害を挑戦で乗り超えて成功を収めてきました。発達障がいや知的障がい、身体障がいとさまざまな障がいがありますが、自分が合わない環境では能力が発揮されず、ネガティブな面ばかり目立つが自分の会う環境に身を置くことでずば抜けた能力を発揮することもあるのです。現に彼は「私はアスペルガー症候群で、これが私のコミュニケーションの仕方に影響を与えていますが、それが私の独自の視点と創造性をもたらしているとも思います。」と語っています。彼が成功したのは運や奇跡ではなく、自分の事を知り、自分の周りの環境を自分に合うものへと作り替えたのです。
 もし皆が自分に合った環境に身を置きその能力を十分に発揮することが出来れば、より社会が進歩するきっかけになるかもしれませんね。
 

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