イライラするとすぐ手が出る子ども。手が出ないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。
□河野ドクター
まず、そこに至るまでの過程が大事です。
(本ケースでは)ADHDと診断され、知的障がいもありそう、日常的な虐待もありそうということですよね。
それでしたら「通常は手が出るでしょう」ということが答えになるわけです。
ただ、状況の分析はもう少し細かくした方がよいのではないでしょうか。
私がこういったケースの場合にお願いしているのは、
『怒る前の事前の事象』にたまたま関係していることを抽出することです。
例えば、朝眠そうにしていた。
楽しみにしていた教科が変更になっていることを知らなかった。
まずこのようなことがありました。
その結果、どのようなことが起こりました。
そして、手が出ました。
手が出た後に周囲の友だち、学校の先生などはどういう対応をしたか。
先生は次に向けて、どのように防止策を考えて行動したのか。
そうした一連の流れを視覚化した方がよいのではないかと思います。
それをやってみてどうだったのか。
これは、うまくいっていないケースの収集よりも、うまくいっているケースの収集の方が大事です。
同じようなことが起きたけれど、この時はこのように対応した。
そうすると本人は手が出なかった。
その後、どうしたかが大切です。
手が出なかったことが定着するような働きかけをしたのか。
手が出なかったからスルーなのか。
こうしたことを細かく分析することが大切です。
また、この質問は本人に何をさせるかといった、「本人にわからせようとしている」ことが主になっています。
気持ちの温度計にしても、本人の気持ちを理解することにしても、本人に対しての指導にすぎません。
しかし、それで今までうまくいっていないという事実があります。
全体の枠組として、今までうまくいっていないという前提で学校や先生として、これからどうしていきたいのかという部分が見えてこない気がします。
学校でどうしたらいいのか、というような「支援シート」を作ったので、今度K’s club サロンにアップしておきますので、参考にしてもらったらいいかな、と思います。
□インタビュアー
手が出なかった時に「手が出なかったね」のように評価することは有効ですか。
□河野ドクター
有効です。
先手を打つしかないですから。
先手を打つためには、クラスの配置、先生の立ち位置などが関係してきます。
特別支援というのは、文系でもあり、体育系でもあります。
サッカーを例にすると、パスをされたら、そこに走り込まなければシュートはできない。
ですから、それが見える位置にいないといけませんし、それができる距離や位置関係を保たなければいけないです。
これが障害物競走みたいになってしまっていたら、できないですよね。
そうしたことも大切です。
※内容の全部、もしくは一部の無断転載を禁止します。
※本記事の内容は「K’s club サロン」の一部です。お子さんの発達や障がいなどについて、さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
〈ドクター〉
河野政樹(虹の子どもクリニック院長)
〈引用〉
K’s club サロン
https://hikarinoniji.supersale.jp/about#mainabtkuMDE1Mj
K’s club サロン:発達障がい関連グッズ
https://hikarinoniji.supersale.jp/categories/3084689#mainidxkyLjg4Mz
https://hikarinoniji.supersale.jp/categories/3084689#mainidxkyLjg4Mz