はばたけタケルチャンネル様へのインタビュー【体験談 Ver.船曳君】
今回このような機会に参加させてもらいましたが、一言にすると難しかったです。
尊君やその家族の方たちと遊んでいる内に今までの自閉症、知的障がいの印象が大きく変わりました。
そもそもなぜ僕がこの機会に参加させていただくことになったのかというと、「障がいというものについて知りたかったから」、「障がい者に対して興味があったから」ではなく、「誘われたからなんとなく」というのが正直な動機です。
僕はこれまで生きてきた中で、障がいを持った方と関わることがほとんどなく、障がいについて無知な状態であったこともあり、別に関わることもないだろうと思っていたし、むしろすこし「怖い」といった印象を持っていました。
自閉症と聞いてもよくわからず、なんとなく自閉症の文字通り「心を閉ざす」「意思表示ができない」といったイメージでしかありませんでした。
僕が障がい者と呼ばれる人に対して「怖い」といった印象を持っていたのにも理由があります。障がいを持った方と関わることがなかったといっても全くなかったわけではなく、小学校・施設へのボランティアなど、実際に接することが何度かありました。
そこでは、一緒に運動会をしたり文化祭をしたりなど、とても楽しい思い出もあったのですが、いきなり叩いたり、大声を出したりする子が中にはいて、小中学生だった僕は「怖い」「できれば関わりたくない」と思ってしまいました。
そこから障がいを持った方と関わる機会もなくなり、ここまで生活してきたのでどちらかというとネガティブな印象を持っていたのが、尊君と会うまでの気持ちです。
少し不安を抱えての対面ではあったのですが、いざお会いしてみると、すごく活発に体を動かして、無邪気で楽しそうにしているのを見て今までの自閉症の印象を大きく変えられました。
初めての対面はトランポリンの見学だったのですが、尊君はものすごい体力で約一時間ずっとトランポリンを飛びっぱなしで、元野球部で体力には多少自信があった僕でもまったくついて行けませんでした(笑)
尊君の体力・元気にはすごく驚いたのですが、驚くことはそれだけでなく、尊君の英語力です。
尊君のお父さんの話によると、尊君の場合は日本語よりも英語の方が発音しやすいことや、そもそも日本語は複雑で難しいといった理由で、英語でコミュニケーションを取ることが多いのだそうですが、発音がすごくネイティブで体力だけでなく、英語の発音までも尊君にはかないませんでした。大学生として恥ずかしいです(笑)
トランポリンで一緒に体を動かし、見学させていただき、尊君との距離はいまいち縮めることはできませんでしたが、自閉症・知的障がいへの印象は変わりました。
昼食後、公園に行って尊君のお母さんから話をお伺いしました。尊君が自閉症・知的障がいと診断されたときは、この先の将来が全く見えず、どうすればいいんだろうとすごく不安な気持ちでいたそうですが、将来が見えないから不安になるのだったら、尊君の将来を見せることによって、子が障がいを持っている人たちの心が少しでも軽くなったらとおっしゃっているのを聞いて、なんて強い人だと思いました。子に障がいを持った方全員が社会を変えようと、行動することは相当な覚悟がないとできないと思うし、もし自分が将来その立場だとしても、ここまでの熱量を持つことはできないと思います。だからこそ、僕のような健常者は障がい者を見て見ぬふりをしないで、すこしでも目を向け、認識しなければいけないと思います。直接的に関わらずとも、一人一人が興味・関心を持ち、少しの行動が多くあれば、内木さんの目指すよりよい社会につながると思います。
この後、公園で一緒に遊んだので少しは仲良くなれたかなと思いますが、そもそも子供が苦手ということもあるせいか、なかなか距離を縮めるのが難しかったです。
半日程度では難しかったのかもしれませんが、またお会いする機会があれば、尊君に甘えられるくらいの仲良しになりたいです。