![](https://fairly.co.jp/wp-content/uploads/2022/03/7556DBD0-2BF4-4226-8269-A437649EF965-scaled-1-1200x900.jpeg)
大雪警報の北海道での面接
道路が麻痺、電車が運休、飛行機も欠航するほどの雪。
そんな日に、北海道での就職を目指し、京都から面接に行く男子大学生がいる。
4月に開所する放課後等デイサービスのスタートメンバーを希望している。
元々は小学校教員を目指していたが方向転換。
ご縁があった北海道で面接を受けることになったそうだ。
せっかくなので先方の企業と彼に依頼し、取材させていただいた。
到着して、レンタカー屋から教えてもらう。
「今夜から本当にすごい雪なので気を付けてください」
周りはまだ土が見えるところもちらほら。
そんなに降るようには感じない。
「どのくらい降るんですか?」
「一晩で50cmから1mくらいの予報のようです」
北海道の豪雪地帯、帯広。
一度降ったらすごそうだ。
-5℃の道路をゆっくり走る。
ナビの道は画面の端まで真っ直ぐ。
空港から1.5時間ほど走って面接場所へ到着。
車を降りると雪でくるぶしまで埋まる。
ほんの数十歩でも靴の隙間からサラサラの雪が入ってきて冷たい。
サッと建物に入る。
4月から開所予定の放課後等デイサービスの事業所。
ちょうどコピー機の設定をする業者さんが作業をしていた。
挨拶を済ませ、業者さんが帰ったところで面接開始。
一般的な面接の内容からスタート。
「地元は?」
「なぜ放課後等デイサービスを?」
「親御さんはどのように考えている?」
第三者の立場で面接を取材するというのはない経験なので、両方の一挙手一投足が興味深い。
熱意を持って回答する彼。
そこから遠方であることや北海道特有の質問に入っていく。
「帰ろうと思って帰れる距離ではないが、本当にいいのか」
「京都のように徒歩で何でも揃うわけじゃないが、それはどのように考えているか」
「ずっと関西弁を話し、聞いてきた。それがないだけでホームシックになるだろうが大丈夫か」
半ば怖がらせるような発言。
面接を見せてもらう立場からすると「覚悟の確認」なのがわかる。
でも、それは伝わるのだろうか。
完全に受け取り側の問題だ。
彼の回答。
「しんどいこともあるでしょうけど、今はワクワクの方が勝っています」
伝わった、多分。
元々は小学校教員志望の彼。
方向転換をしての放課後等デイサービス。
一度も離れたことのない京都を離れての勤務。
職業選択の自由はあるけれど、それでも一定の覚悟は必要だ。
それができているように思えた。
終わって、帰りの車で彼に質問をさせてもらった。
「面接を受けてみての感想は?」
一番すごい天候の時に来させてもらえました。
とても寒くて、雪も多いです。
雪かきもたくさんあると伺いました。
でも、できそうです。
仕事に就くこと自体が初めてで、まだ何をしたらいいかはわかりません。
でも、皆さん、いい方たちでした。
だから、できそうです。
雇ってもらえたら、ですけど。
その後の食事会で面接の担当をした方にも伺った。
「面接をしてみての感想は?」
あとは彼次第です。
他の職員とも話していたのですが、他地域での就職は違います。
北海道のど真ん中であれば尚更です。
来てみてイメージと違ったではお互いが厳しくなります。
だからあえて仕事の、生活の、北海道の、様々な面からそれを聞きました。
どちらも前向き。
あとは少し時間をおいてからの確認になるのだろう。
もし「就職」ということになったら、改めて取材させていただきたいと思う。