運動会本番に向けてどう語る?練習はしんどくても本番は大丈夫?

運動会本番に向けてどう語る?練習はしんどくても本番は大丈夫?

 

「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。

今回の質問は、下記のものです。

運動会の練習で頑張りすぎていっぱいいっぱいの子。よくがんばっているのに、先生からほとんど褒められない。他の子を怒ってばかりで、自分じゃないのに心を痛めているのに明日が運動会本番です。
子どもに頑張る力をお願いします。

□河野ドクター
おそらく本番は大丈夫だと思います。運動会が嫌という子よりも、運動会の練習が嫌という子が99%です。意外に、運動会の練習はしんどくても運動会本番は大丈夫です。それは誰も怒らないから。来賓や保護者が来ているところで先生が怒っている場面を見たことがないから、恐ろしい恐怖の場面がありません。
ただ、もちろん人前で踊っているのを見られたくないだとか、勝つことの至上主義で勝たなきゃダメだ、みたいに思っている子にとっては、やはりすごい緊張するし、しんどいかもしれないです。もしそうであれば、運動会の本番では誰も怒らないから安心してと言いますね。

普段よく怒るすごく怖い肉食恐竜みたいな先生がいます。でも、そのことはみんな知っている。肉食恐竜だ!危ない!近づいちゃダメ!ガオーって言う!と。反対に、普段草ばかり食べる草食恐竜みたいな先生が、突然口を大きくしてガオーとほえるから怖くなり、みんな嫌になってしまうのです。草食恐竜だと思ったのに、肉食だったと。それが運動会の練習なのです。それが恐怖の元なので、「先生はみんな草食恐竜になっているからね。肉食の先生たちもみんな草食恐竜だから安心してね。」と言うのが私からのメッセージです。

□小野先生
これは多分家で「しんどい」とか「叱られてばかりだ」という不平不満が出ていると、当然疲れます。体がしんどい時もある中で、運動会本番まで頑張っているということが事実です。なので、お母さんから「あなたは偉いね。」「お母さんから見ても感心したよ。」「あんなにしんどくて大変な中でよく頑張ったね。」「だってもう頑張ったこと消えないから。」だから「すごいね、お母さんだったらちょっとできなかったかも。」「尊敬した、見直すわ。」という風に、親の気持ちで心から言ってあげたらいいと思います。

そしてもう一つ。本番がすごく怖いというお子さんも一定数います。私がいつも言うのは、「運動会とかの行事ってなんのためすると思う?」と。
「だって走るのを一生懸命走るだけだったら、別に親に見に来てもらわなくてもいいじゃん。体育でやったらいいじゃん。そうじゃなくて、普段と違うところで自分の緊張するのを体験するためにやるんだよ。それを緊張しておいで。どのぐらい緊張したか教えてよ。心臓が喉まで飛び出したとか。」
子どもたちが「先生ここまで飛び出した!」と言えば、「良かったなあ、次はここまでもってこようか。」と言います。
緊張度合いがどのぐらいかを待ち時間の時にこっちに先生いるから教えてねと言って、例えば小さい丸が50%、中くらいが100%、もっと大きな丸なら200%。教えてと言えば、小さい声や遠いところからジェスチャーで教えてくれます。
その間は脳を使っているわけです。競技から帰ってきて、緊張したかー!言えば、緊張しましたー!と返ってきます。しかし、ハードル高すぎるので、耐えられない子は別にやる必要がありません。
このケースの場合は、自分の本当の心からの感動を、親の言葉で言ってあげたらいいのではないかなと思います。

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※本記事の内容は「K’s club サロン」の一部です。お子さんの発達や障がいなどについて、さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

 

〈ドクター〉
河野政樹
小野隆行

〈引用〉
K’s club サロン
K’s club サロン:発達障がい関連グッズ


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