注意されると叩いたり、悪口を言ったりしてしまう子

注意されると叩いたり、悪口を言ったりしてしまう子

 

「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。

今回の質問は、下記のものです。

小学3年生・ IQ60の男子です。「連絡帳を書こう」や、やりたくないことをするように声をかけると、教師に「ケチ!」などの悪口を言ったり、叩いたりします。
無視をしたり、「悲しい~」と泣き真似をしたりすると「ごめんなさい」を言うことができますが、またその繰り返しです。
この対応でよいのか、また、よい対応の方法を教えていただきたいです。

□河野ドクター
一つ考えられるのは、語彙が少ないということです。自分の気持ちを伝えてはいるのです。
残念だ、という気持ちを「ケチ!」や「バカ!」などのどちらかというとチクチク言葉で言っているのです。その残念な気持ちをどのように言えばよいのか、ということを伝えていくということが重要になります。

例えば、「ケチ!」や「バカ!」と言われても、「それって残念だったということ?」や「それは残念だったね。」「『本当はもっとやりたかった』って言いたかったんだよね。」と伝えるのです。
否定するのではなく、正しい言い方を教えることで「そう!」「残念だった!」や「もっとやりたかった!」と返ってくるでしょう。「あぁ~、そう言ってくれたらすごく伝わるわぁ。」「次は何とかできるように先生も頑張るね。」のようなパターンが理想的です。

「痛い!」や「それ言われたらイヤ。」「叩かれたらイヤだよ。」などと言うと、子どもは嬉しくなります。そうすると、いつまでたっても同じことの繰り返しになってしまいます。
新しい学びとしての語彙やパターンが何も増えていないためです。

大事なことは、その子に何を伝えて、何を教えて、今までのコミュニケーションのパターンをいかに広げるかということです。そのようなことに重きを置くというの、はいかがでしょうか。

※内容の全部、もしくは一部の無断転載を禁止します。
※本記事の内容は「K’s club サロン」の一部です。お子さんの発達や障がいなどについて、さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

〈ドクター〉
河野政樹(虹の子どもクリニック院長)

〈引用〉
K’s club サロン
K’s club サロン:発達障がい関連グッズ


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