子どもの人生を妥協しなくていい
知的障がいのお子さんがいるお母さんとのお話です。
就労継続支援B型だとなかなか生きていくというのが難しいです。
でも、学校の先生は「このご時世、仕事があるだけでもありがたいです」とおっしゃいます。
0円ではない。
16,000円だとおっしゃるのです(就労継続支援B型の全国平均工賃)。
でも、月に16,000円では生きていくことすらできません。
そう考えると、私にできるのは、私が生きている間、この子に自由に好きなことをさせてあげたいんです。
一緒に楽しいことを見つけ、充実して過ごしてあげるようにしてあげたいんです。
今、すっごく幸せです。
にこにこしながらおっしゃっいました。
心の底からの笑顔。
だからこそ苦しくなりました。
この幸せは「時限付き」です。
親の死というゴールがあります。
年齢で考えると両親の方が早くいなくなることの方が多いでしょう。
でも社会の現状がこちらなのもわかります。
特別支援学校の進路。
就職が30%
就労系障がい福祉サービスが30%
そのほかの障がい福祉サービスが29%
親であれば、自分がいなくなった後の子どもの人生は当然心配です。
そうは言っても、そこに夢を持てないから、せめて「今」。
このお母さんに障⇔障継承プログラムを紹介しました。
ここでは『働いて生きている障がい者』を紹介しています。
月16,000円ではありません。
B型でも5万円以上。
A型であれば10万円以上。
そして、それを上回る一般就労も。
これらの額に障がい年金などを組み合わせれば、生きていくという選択肢を得られるからです。
上記の額はおよその額ですが、いずれにしても平均よりも大幅に多い仕事をするセンパイの姿を紹介しています。
お金だけではありません。
仕事の内容もです。
本当に必要とされる主幹事業での仕事に就いている障がい者の様子を見ていただけます。
彼らが本当に必要とされる仕事をしている。
人から求められて仕事をするというのは極めて重要です。
もちろん障⇔障継承プログラムを見たからといって、即就労にはなりません。
就職斡旋ではないですから。
でも、そうやって、働いて生きている障がい者がいる。
今回であれば、重度知的障がいの方もいる。
良い方の現実も知ると、それだけで一歩前に進めます。
これらをお話すると、にこにこのまま、涙を流されました。
「子どもの人生を妥協しなくていいんですね」
妥協という言葉で表現されました。
本当はわかっていたのです。
向かい合っていなかっただけで。
就労継続支援などの福祉サービスが不要だとは思いません。
必要です。
ただし、その先にも道が拓けているべきだとも思います。
少なくても、親が「妥協」なんて言葉を使わなくてもいいように。