全盲の按摩師さん
マッサージ屋さんがいつのまにか増えました。歩いていてもカフェのようなオシャレなマッサージ屋さんが至る所にあります。スーパー銭湯に行っても中に併設、ホテルに泊まってもフロントに電話したらすぐに来てくれます。
若い頃は目に入らなかっただけなのかもしれませんが、ここ最近は、そういったマッサージ屋さんを見かけると時々利用していました。
目が見えない方、見えにくい方に按摩師さんが多いのは何となく聞いたことはあります。でも、実際にお会いしたことはありませんでした。お会いしたことがなさすぎて、ホントかな、と思うくらいになっていました。
そんな風に考えていた中、マッサージをお願いしました。楽しみにフロントに電話をしました。混んでいるようで1時間くらい待ちます。部屋の扉を開けると白杖を持っている方がいらっしゃいました。70代くらいの男性。白杖を持ってはいるのですが、見えるかのように「では、こちらで」とベットへ案内してくれます。なんか、すごいな、と思いながら、自分の部屋なのに案内されて動きました。
そんなにマッサージとか按摩とかをしたことがあるわけではないのですが、めっちゃ上手いです!痛気持ちいい感じです。
「上手いですよね〜、長いんですか?」
「短いですよ、30年くらいですね」
「十分長いです!」
関西的なノリです。
「白杖を持ってられましたけど、全く見えないんですか?」
「光はわかります。視野は0.5度くらい。点でわかるくらいです」
「その割には、部屋の間取りとかわかってましたよね?」
「大体覚えてるんですよ。慣れですね」
按摩しながら流暢に話してくださいます。
「お客さんはどちらから?」
「京都です」
「一番古い盲学校がありますね」
「ライトハウスとか初の点字ブロックとかもありますね」
「お客さん、詳しいねー」
「先輩に盲の方がいたんです」
「へぇ」
と障⇔障継承プログラムの話をしました。
「私には難しいことはわからないけど、みんなが気持ちよく暮らせることが大切ですよね」
と感想を言ってくれました。
1時間弱のマッサージを終えて、
「また按摩をしてもらいながらお話を聞きにきてもいいですか?」
「いつでもです」
次回、按摩とインタビュー、どちらがメインになるのかなと思いながら時間を終えました。
また、お話を伺いに行こうと思っています。