にこにこしながら「いや〜、ぼく緊張します」連呼のパンづくり撮影
北海道江別市の「ココルクえべつ」を取材させていただいた。
帯広から江別までの移動。
通常なら3時間半。
しかし、ただでさえ大雪。
その上、高速道路が事故で通行止め。
80kmの回り道。
結局、倍の7時間かけて到着した。
相当早く出発していたのだが、1時間遅れの13時に到着。
到着したのだが、建物がない!?
道路の両側には車高の3倍はある雪の壁。
向こう側が見えない。
所々に雪の壁が切れて道がある。
ナビの住所は正しいので「多分ここだろう」と道に入ってみる。
工事現場…。
ハズレ。
次の一本。
別世界だった。
新築の建物がいくつも見える。
うどん屋?
温泉?
よくわからないがピカピカの施設がいくつもある。
複合施設。
多くの方が持つだろう障がい者関連の施設のイメージとは全く違う。
着いて名刺交換もそこそこに「利用者さんがもうすぐ帰る時間です」とのこと。
早速、案内をしてくださった。
メインはパンの製造所。
A君とあいさつ。
※まだ撮影許諾申請中ですのでA君とします。
知的障がいの彼。
にこにこ。
しっかりとあいさつを返してくれる。
「撮りますね」
「いや〜、ぼく緊張します」
「そう言いながら、もう準備してくれてるじゃないですか!」
「だって撮影でしょう?」
磨き上げられた台の上にトレイを持ってきてくれる。
中には焼く前のパンがいくつも並んでいる。
「これにね砂糖をかけます。砂糖はこっちです」
砂糖が置いてある棚を教えてくれる。
「ここでも撮るんですか?緊張します。」
にこにこしながら、緊張していないように言う。
こちらもうつるくらいの笑顔。
「めっちゃ笑ってるじゃないですか?」
「そんなことないですよ。緊張していますから」
それからカレーパン、冷蔵庫、小麦粉、シフト表…
何から何まで説明してくれる。
一つ一つ丁寧に。
案内役の方から「そろそろ時間です」と言われても。
最終的には「行きましょう」と伝えられるまで撮影続行。
にこにこのA君の働く姿。
たくさんの元気がもらえる姿。
確かに撮らせていただきました。
順調にいけば春には公開予定です。