「他の子と話さないで!」反応性愛着障がいの子にどう対応する?
「他の子と話さないで!」反応性愛着障がいの子にどう対応する?
「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。
今回の質問は、下記のものです。
反応性愛着障がいと診断されています。4年生男子です。
職員室で大好きな事務職員が他の子と話すと、「他の子と話さないで!」と何度も訴えてきます。その子が納得するように、どのように話したらよいでしょうか。
□河野ドクター
これはよくあるケースです。反応性愛着障がいは、2つのパターンがあります。1つは人を避け、過敏になって他人に近づかないパターン。もう1つはものすごくフレンドリーになって愛情を求めてくるパターン。この子はおそらく後者の愛情を求めるタイプであると推測できます。
私の方だけ見ていて、というのは小さい頃は当然誰にもあるべきことなのですが、小学校4年生ぐらいになってくると、譲ったり待ったりできるようになっていきます。ですが、反応性愛着障がいの子は、それがなかなかできないです。私ばっかり見てというのは幼児期の特性であり、幼児期の特性が今現れているということです。そうなると「あなた4年生でしょ」といった対応は、うまくいかないことが多いです。幼児期の反応が起きているので、幼児期の子にするような対応が必要ということです。
基本的には「待っていてくれて、ありがとう」のメッセージが効果的です。本人が人懐っこく来るのは分かっていることなので、「〇〇ちゃん待っていてくれてありがとね。先生は〇〇ちゃんともお話ししたいからね。ありがとうね」と言って先手を打っておく。そこからその子と話をする。それでもおそらく「もっとこっち見て」と来ます。紙に「待っていてくれてありがとうね。このあと話をしようね」と書いてメッセージとして渡すことも有効的です。
こちらがムカッとしたり、イラっとすると、それに対してまたすごく反応してきます。そこは上手やらないといけないところです。ある程度インターバルを取っていきながら、「ありがとう」を伝えていくことが大切です。
〈ドクター〉
河野政樹(虹の子どもクリニック院長)