【発達障がい】ADHDの大学生の憎めない一言「忘れちゃうんですよ」

知り合いの大学生が「ボク、ADHDなんです」と相談してきたのが一年前。
本人いわく、よく物事を忘れてしまうらしい。
でも、行動力はある。
そこで、授業の手伝いや、講座補助、イベントの運営など、幾度となくアルバイトをしてもらっていた。

案の定というか、何かしらを忘れてしまう。

プリント取ってきて、と伝えて取りに行く。
爽やかに教室を出る。
5分後くらいに帰ってくる。
「プリントは?」
「あっ!◯◯先生と挨拶して、ちょっと喋ったら忘れちゃいました!」
こんな感じ。

別の時。
「これでみんなのオヤツでも買っておいで。好みがあるからいろんな種類を買ってくるんだよ」
とお金を渡す。
デカイ袋を抱えて帰ってきた。
どうして30本入りうまい棒を7袋も買うかなあ。
聞くと、たくさんあったら、みんながうれしくなると思って、お店にあった全種類を買ったと。
いろんな種類、という部分はすっかり抜けて、みんなからいじられる。

そのお金。
当然余る。
オツリを返そうとしたので、次のオヤツ代にと預けておいた。
今度はケーキとか、ちょっと小洒落たのを買ってきてね、と言葉を添えて。
わかりましたと爽やかな返事。
数日後。
「この前のでオヤツでも買っておいで」
「???」
忘れてる。
みんなから言われて、やっと思い出す。
「何かお金があると思って使っちゃいました」
ちょっと照れながら、ちょっと申し訳なさそうに言う。
みんなは怒るのを通り越してあきれている。
私は面白いのでにやにや。

そんなこんなで、あれこれと彼に頼む。
「なんであの子を使うんですか?」
と聞かれるまで、そんなこと考えたこともないくらい当たり前に頼んでた。

すごくシンプル。
いいヤツだから。
忘れちゃっていても、ホントにストレートに「ごめんなさい」が言える。
打算・計算みたいなのが一切ない。
マジで目がキラキラしている。
「いやー、毎日、楽しいんですよね」
と普通に言う。
それだけ忘れていたら嫌なこともあるだろうに、全くそれを感じさせない。
「しんどい時ってないの?」
と聞くと、
「ありますけど、寝たら、忘れちゃいますから」
こんな貴重な人材はなかなかいない。

毎日が楽しいなんて人が近くに1人でもいたら、人生は相当にハッピーになれる。

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