書くのが苦手な子に効果的な学習方法

書くのが苦手な子に効果的な学習方法

 

「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。

今回の質問は、下記のものです。

□質問

「一昨年度・昨年度、不登校で書くこと(主にひらがな・カタカナ)が苦手だった小3児童について」

昨年度明けに個別級判定を受け、支援級に転籍してから徐々に登校できるようになり、3月にはほぼ毎日登校していました。

今年度、登校してもらうことを最優先に考え、1時間目の授業でできそうなプリントを1〜2枚こなし、残りの時間はYouTubeを見るなどしていました。ただし、学校では原則授業で必要な場合を除いて、YouTubeの視聴が禁止されています。

今後の学習への取り組み方や、動画視聴の制限などについてどのようにしていくべきか、ぜひ教えていただきたいです。

□河野ドクター

不登校がベースにあり、なおかつひらがな・カタカナがうまく書けない「書き障がい」があるのですね。書くことをメインに据えた学習形態というのは本人に少し無理があって、それで不登校になってしまったのでなないでしょうか。

だから、まず考えないといけないのは、その書き障がいや読み障がいに対して、学校やクラスとしてどのように取り組むのか。まずはその部分を明確にしたほうがよいと思います。YouTubeを見てしまうのも、その部分の曖昧さが原因であると思います。

そして「読み書きを封鎖されている状態で学習をしてみましょう」というのはなかなか難しい。しかし「動画を観ることができる」というのが、逆にいえば本人の強みと考えるのがよいのではないでしょうか。そうなると、デイジーテキストのような「教科書自体が読んでくれ、その中で学べる」形の導入はどうでしょうか。タブレットにも慣れているのでしたら、デイジーテキストは、いつでもどこの学校でも手に入れられます。

また、動画も「何でも見ていいよ」ではなく、本人の興味がありそうな動画を検索させる。例えば、クッキングであったり、工作であったり、折り紙だったり。その動画を見ながら、折り紙を作ったり、紙飛行機を作るなどといった学習をする。本人の強みを生かした「YouTubeを有機的に活用した学習法」というのを考えてみてはいかがでしょうか。

 

※内容の全部、もしくは一部の無断転載を禁止します。

※本記事の内容は「K’s club サロン」の一部です。お子さんの発達や障がいなどについて、さらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

〈ドクター〉

河野政樹(虹の子どもクリニック院長)

〈引用〉

K’s club サロン

K’s club サロン:発達障がい関連グッズ


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