たかがお弁当、されどお弁当。。。

広島県尾道市のライフパスさんのお弁当づくりの手伝いをさせていただきました。お手伝いをするまで、お弁当の容器に具材を詰め込んでいく「だけ」だと思っていました。その「だけ」の仕事を手伝わせてもらって初めて、どれだけ大変なことかがわかりました。すごい仕事でした。

【衛生面】
初めに水色の手袋をします。食材に直接触れないようにするためです。食材は今回のものでしたら、ハンバーグ、ポテト、野菜、他数種類のものがあります。トングで入れるものもあれば、手で入れなければ入らないものもあります。手で入れる際には水色の手袋だけではありません。その上から透明手袋もします。二重です。この透明手袋は汚れるたびに取り替えます。衛生面の確保はもちろんですが、お客さまの前に届ける時に、少しでもキレイに見せるため。私の場合は2時間くらいのお手伝いで5枚以上取り替えました。

【手作り】
すべてではありませんが、相当の割合で「手作り」のお弁当です。500円を切るお弁当で手作り感満載。これってすごく大変です。だって、作らないといけないですから。スープを作ったり、野菜を炒めたりするということは、そこに手がかかるということです。味が良いのは分かっていても、なかなかできることではありません。手数が増え、それがそのまま価格に反映してしまいます。 以前、オフィス街に勤めていた頃、同価格帯のお弁当をよく買っていました。どのお店で買っても「ほぼ茶色」でした。お米と揚げ物数種類。野菜はカケラのようなもの。揚げ物の種類がハムか、魚か、肉か、でお弁当を選択していました。 ライフパスのお弁当、毎日でも大丈夫です。月毎に出しているメニュー表を見ると、毎日違います。それって、家庭でやっても大変ですが、こうしたところですると、その大変さが何倍にもなります。それでもその手間を惜しまずに手作りでした。

【見栄え】
「バエル」なんていう言葉が定着しました。私のお手伝い、全く「ばえていない」状態でした。初めの30分くらいは「お邪魔」です。野菜の分量がなかなか均一にならなかったり、それを入れている柔らかい器を潰してしまったり、ハンバーグのタレをケチってしまったり、多すぎたり…要はキレイに入れられないんです。「はじめなんて、そんなもんですよ」というなぐさめ?のお言葉をいただきながら、他の方よりも圧倒的にゆっくりなスピードで進めていきました。

【高齢の重度知的障がい者】
働いている方。若い方も高齢の方もいます。障がいの種別も知的障がいを中心に様々。10名以上の方が必要以上の私語がないのに和気あいあい。後からお話を伺うと「障がい者が働く」というコンセプトだけではなく、「1日8時間フルタイムで働いてきて定年を迎えた障がいのある方たちが緩やかに仕事から離れていく場」としても活用しているとのことでした。

ライフパスさんのお弁当作りを拝見していて、普段から何気なく買って食べている弁当に込められた手間や思い、丁寧さ、そういったものをすごく感じました。「いただきます」の言葉をもうちょっと丁寧に言おう、と考えたお手伝いでした。

関連記事一覧