読み書きが難しい子。どのように学習を進めていく?
読み書きが難しい子。どのように学習を進めていく?
「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。
今回の質問は、下記のものです。
特別支援学級 小学3年生
1年生夏から2年生の12月まで一般級在籍で、不登校。読み書きの障がいがある児童についてです。
3年生になり学校に出る習慣がついたものの、動画サイトばかり見て過ごしているということで、前回相談しました。
動画サイトも学習に関する使用目的であれば、ということで、アドバイスをいただき、学習での使用目的を勧めましたが、そのような使い方はまだできていません。
また様々な条件を設定して、動画視聴を15分以内に抑えることができるようになりましたが、残りの時間はタブレットのアプリを触っている状況です。
ごくまれに漢字ドリルや計算ドリル、ペーパーチャレランなどに取り組むものの…今後の学習への向かわせ方をご教示いただけたら幸いです。
□河野ドクター
学習障がいがあって、読み書きの障がいがあるということ。
学習障がいがある子にとって、読むことや書くことは大変難しいことです。特別支援学級に入っても、どうしても動画を見てしまったり、学習も読み書きよりもアプリを使った学習が多いということ。ここで大事なことは何を目標に設定するかということです。
例えば、学習する習慣をつけることを目標にするのか、それとも苦手な読み書きにチャレンジさせるのか。おそらく読み書きにチャレンジすることは少し難しいように感じます。だから、どうしても動画を見たくなったり、アプリを使ってしまうということ。しかもそこで漢字ドリルや計算ドリルをしましょう、というのはかなり難易度が高いです。特に漢字ドリルはちょっと無理があるかなという気がします。
漢字ドリルをするのであれば、1日1文字を丁寧に書くというような無理のない宿題を出したり、計算ドリルは活字で苦手な数字を書かせるよりも、タブレットで計算をさせた方が、この子には合っているのではないかと思います。
なにより、学習することが楽しいと思わせることに目標を置いた方がいいと思います。タブレットなどを活用し、勉強をしてよかった、楽しかった、と思えるようにしていただいたらいいかなと思います。
〈ドクター〉
河野政樹(虹の子どもクリニック院長)