ひらがなができない子/意識する点と優先すべきこと
ひらがなができない子/意識する点と優先すべきこと
「K’s club サロン」は、発達外来クリニック医院長・小児科医である河野政樹ドクターと特別支援教育のスペシャリストである小野隆行先生によるQ&Aが発信されるオンラインサロンです。
サロン内では皆さんからドクターに質問することも可能です。
本ページでは、K’s club サロンでの質問と回答を一部紹介します。
今回の質問は、下記のものです。
ひらがな習得について 小学校1年生支援級所属
ひらがながなかなか習得できずにいます。学校の先生もゆっくり進めてくれているようですが…
週5放デイで過ごしていますが、ひらがなをもう少し身近なものにするために何かできることがもしあれば教えていただきたいです。
□河野ドクター
小学校1年生、支援級所属の子で、ひらがながなかなか読んだり書いたりできない。カルタなどでたまに遊ぶが、スタッフと一緒に遊んでいるという程度ということ。
恐らくひらがなを理解し、読んだり書いたりが難しいのでしょう。放デイや学校などで、どうしていくかという話です。ここで一番持たなければならない視点は、この子の精神年齢が何歳かということです。
例えば、小学校1年生で、IQが仮に60だとしたら、4歳ぐらいの力ということになります。3歳4歳ぐらいの力しかない子がひらがなの読み書きは無理です。まず、そこの評価が必要です。本人の精神年齢が低ければ、ひらがなは後回しにした方がいい。もっと別のことを勉強した方がよいです。だから、ひらがなを覚えさせたいことはよくわかるのですが、習得できないと書いてある以上は、かなり精神年齢が低いのではないでしょうか。
ですから、ひらがなの勉強ではないことをメインに学習していく方がよいです。でないと、ひらがなを学習することが嫌になります。嫌になる前に放デイに来て楽しむこと。会話はできると思うので、ひらがなの読み書きができるよりも、遊びを通じて読み書き以外のコミニケーションを伸ばしていきましょう。
〈ドクター〉
河野政樹(虹の子どもクリニック院長)