知的障がい者の就労面接担当者の悩み「面接時に適性を探る方法」

面接だけでは本人の適性が判断しきれません。

事前に体験などで適性を探った方がいいですか。

 

このような質問ががあった。

 

質問をしたのは、これまで多くの知的障がい者を面接し、採用してきた就労継続支援A型の方。

お話を伺っていると、うまく就労につながり継続できているケースもあるが、そうではないことも多いため悩むとのこと。

 

面接だけでは難しい。

これは障がいの有無に関わらず言えること。

だからこそ、さまざまな職種で面接だけではなく、インターンをしてみたり、実技のようなことをしてみたりする。

 

回答された方は、ご自身で就労支援A型などを行い、全国でコンサルをしている方。

明瞭な回答だった。

 

適性を探る必要はありません。

美容師や看護士、モデル。

そういった仕事には適性があると考えています。

しかし、彼らが働くのは一次的な仕事が多いです。

それであれば『適性は働きに来てから付けるもの』です。

だって、彼らが望んだら何でもさせるわけではないですよね。

レジがしたいからさせる。

洋服をたたむのが好きだからさせる。

お客さんの前に立ちたいから立たせる。

そういう仕事を提供しないはずです。

だって『与えられたことをするのが仕事』ですから。

働きに来てから、例えばパンづくりを教える。

パンができれば、うどんも作れますよね、きっと。

それができれば掃除もできる。

できることを増やしていき、その日、その週、その月のメンバー構成で、誰がどこで働けば会社としてのパフォーマンスが高まるか。

それを考えてするのではないでしょうか。

 

質問された方がうんうんとうなずいておられた。

 

適性を探るというよりも、適性をつけるということですね。

 

そうです。

教育です。

 

知的障がいのある方を採用する際のお悩みでしたが、健常の方でも、他の仕事でも、共通する考え方だと思います。

 

『知的障がい者の就労Q&A:4つの採用判断基準』を読む

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