日本の歴史とバリアフリー??

今回も前回に引き続き、ホームページにいただいたご質問への回答を皆さまに共有させていただきます。

今回いただきましたご質問は…
【今日まで築かれてきた日本社会は「障がいや難病を抱えていない健常者」にとって有利になるよう整備されてきたという歴史がありますが、これは今と違い、昔(昭和時代・平成時代)は日本社会において、「障がいや難病を抱えていない健常者」が圧倒的な多数派だったためでしょうか?
それとも、障がいや難病を抱えた方は人数等に関係なく、つい最近まで外出しないのが当たり前だったためでしょうか?】

障がいや難病を抱えていない健常者にとって有利になるように整備されてきたのは何故か?というご質問ですが、「健常者にとって有利」になるように整備されたのではなく、「障がい者にとっても便利かどうか熟考せずに」整備されてきたのだと感じます。それは過半数以上を占める割合が健常者である以上、仕方がなかったとも言えるでしょう。
しかし一方で、バリアフリー施設の増加や障害者総合支援法の整備、ユニバーサルデザインの普及など、障がいのある方への配慮が進んできていることも事実です。
割合的に過半数を超える健常者にとって便利に感じる物が多いだけで、決して障がいのある方を考えていないなどは無く、例えば右利きの方が多数の日本では左利きの方にとって不便な道具や施設が多いことと同じ理由かと感じます。
 
 しかし、これまでの大学生コンテンツでも触れてきましたが、日本における障がいのある方の人口は年々増加傾向にあります。今や人口の8~10%を何らかの障がいのある人が占めると言っても過言ではありません。それなのに、例で出したような、右利きの方が使いやすいものばかりが目に見えて多いのでは?と、感じるのも事実です。割合の問題ではなく、いつまでたってもこのまま右利きの方が使いやすいものが多いままじゃないの?と感じる方もいることでしょう。
 僕個人は、これは時間の問題だと考えています。現在様々なものがバリアフリー対応されてきておりますし、右利き用の物が作られるなら左利き用も当たり前に作られるという製品も増えてきました。古いものは新しいものへ、考え方も環境も、昔から現代へとアップデートされてきています。僕たちが生きているうちには、その全てが入れ替わるんじゃないかな…というのが僕の予想です。

これからも日常の進化は止まりません。毎日に不安を感じる方もいるでしょう。これを読んでいる方には未来が怖いと思う人もいると思います。けれども、毎日確実に何かしらの変化は起こっています。人の考え方も変わってきています。少なくとも僕たちは、例え障がいがあってもなくても、誰でもの毎日が、より素敵な毎日になるように社会を変えていこうと思っています。

関連記事一覧